溺愛されてもわからない!


私は割り切りが早くないのだろうか。
自分に聞いてみるけど答が出ない。

「ワッフルの前に服買おう」

「へっ?」

「せっかく可愛くなったから、行こう」

一夜は私の手を握り
王子様スマイルでまた人の波を泳ぐ。

私は一夜と手を繋ぎながら
また別の店へと泳ぎだす。

人の波を泳ぐ熱帯魚。
一夜は綺麗な熱帯魚。私は小さなメダカちゃん。
でも繋いだ手は離さない。
信頼できる人の手。

そして彼はまた可愛い店に連れて来てくれて
そこの人懐っこいお姉さんと相談しながら
そんなフワフワ系じゃなくて
普段でも着れる服を何着か買ってくれて

そのうちの一着を着て
一夜とワッフルを食べに行く。

「疲れた?」

「うん」素直に言ったら笑われた。

「黒のガウチョも似合うね」

「友達のお母さんに似たようなの作ってもらってたから懐かしい」

でもそれは
農作業を手伝う用のガウチョだったから
ガウチョであって
ガウチョにあらず。