苦労して作った金髪のヅラはどこへ行ったやら
記念にこっちに持ってきたかな
いや違う
学校祭で使うからって
学校に寄付してきたんだ。
あぁ残念。
美輪さんのマネをするなら
金髪のヅラは絶対だもんね。
上手く作れたのに
雫さんに見せたかった。
いいや
また作ろう。
さてさて
覚悟を決めて帰ろうか。
重たいお尻をゆっくり上げて
私は席を立ち
のろのろと生徒玄関まで行くと
夢君がそこにいた。
心の中がモノトーンになっていても
夢君の姿を見ると
赤い髪から色が広がって
私の脳内もカラーに変わる。
「すみれ」
ハスキーな声が私の名前を呼んで
「夢……君」
スッキリサッパリ
元気しか褒められる事のない私が、モジモジと口ごもる。
夢……って呼び捨てにしたかった。
ずっと呼び捨てで呼んでみたいと思っても
いざ口にすると
できないものだね。
「一緒に帰るか?」
「うん!」
私はバタバタと靴を履いて
仔犬のように夢君の隣に走って行った。



