星川の住所は、東京都文京区ってところ。テレビでも聞いたことのある住所だった。

封筒をそーっと開ける。ちょっと緊張して、手が震えちゃう。

ピンクにラメとかレースのイラストが入った女の子らしい便せんに、懐かしい丸文字。


気持ちを落ち着かせるために、ベッドに登り、横になりながら手紙を読んだ。


『祥平へ

元気ですか?私は元気です。

東京の学校にも慣れて、家の中も片付いたので、岬小の5年2組全員に手紙を書きました』


なんだ、全員に書いているんだ。オレだけ特別かと思った。


『5年2組の1人1人の顔を思い浮かべながら手紙を書いています。

祥平は1、2年の時も同じクラスだったね。いつも明るくて、足が速くて、優しくて、私はいつも祥平から元気をもらっていたんだよ。

5年生になってまた同じクラスになれて嬉しかったです』