2週間が経って、星川が学校に来る最後の日に、オレはお別れ会を提案したんだ。

最後に星川には笑っていてほしかった。岬小学校の5年2組で良かったって、思っていてほしかったんだ。


オレも最後に悲しい顔は見せたくなかった。

星川に振られたって言っていた風馬も、オレと同じ思いなのか、悲しい顔はしていなかった。


最後の星川の挨拶では、クラスの女子が何人か泣いていたけど、オレと風馬と星川も泣いていなかった。


そして星川は感謝の気持ちですって言って、クラスの全員に鉛筆を2本ずつプレゼントしてくれた。


「わたしは東京に行ってからも、この5年2組のことは絶対に忘れません。

みんなはわたしの大切な仲間たちです」


オレは告白をすることができなかったけど、最後に星川にはどうしても伝えたいことがあって、星川のところに行った。


「祥平、どうしたの」


「あのさ星川、オレのこと委員長に推薦してくれてありがとう。

色紙にも書いたけど、向こうでも頑張ってね」


星川はこのときには涙を流していた。


「祥平、今までほんとにほんとにありがとう。

祥平といたら楽しかったよ。絶対に祥平のこと、忘れないからね」


こうして星川は転校していったんだ。