スーパー丸尾ブラザーズ

急に挙手があった。

俺はすがるように、その挙がった手に視線を移す。


「僕は丸尾くんがいいと思います」

油断していたところに突然のご指名。


「……は?俺?なんで」

「いっくん委員長だしさ、みんなをまとめる指揮者なんてピッタリでしょ」


教室のあちこちから賛成の声が聞こえる。

ちょっと勘弁してよ。


「怜香もいっくんが指揮だと、ピアノも合わせやすいんじゃない?」

「うん、そうかもしれない」


……怜香まで。もうこれは俺が指揮者になってしまう雰囲気。

「待ってよ、俺、やったことないってば」

「大丈夫!いっくんならできるって」

「工藤にだけは言われたくねーよ」


「指揮者は丸尾くんで異論はありませんか」

副委員長が突然仕切りだし、教室から拍手がおこる。

「それでは丸尾くん、指揮者をお願いします」


だから本人の意思確認をしろって。