「………先輩?居るんですか?」

声をかけたが、姿がない。

すると、どこからか
クスクス……と笑う声。

「バーカ。」

あたりを見回すと、
電柱の影に、彼女がいた。

「椿は居ないよ。
あのメール打ったのあたしだもん。
携帯借りるのなんて簡単。
途中で気づくかなと思ったけど
まさかここまで鈍いとはね。
ここまでやってきたおバカさんに
あたしから言葉を送らせてもらうわ。
…調子乗ってんじゃないわよ、ブス!」

「…っ!」

「航希はあたしのなの。
仲良くしたらタダじゃおかないから。」

彼女はそう言って去っていった。

わたしは安堵のため息を吐いて
それから自宅へ戻った。