その、帰り道。

先輩からもらった応募用紙に
記入して提出したあと、
いつものように自宅へと帰っていた時だった。

わたしは、目の前から歩いてくる人物に、
体を強ばらせた。

(…彼女だ。)

大丈夫、大丈夫。
普通でいればいいんだから。

わたしは怯えながらも、
必死に自分を落ち着かせた。

「……。」

彼女はわたしとすれ違う瞬間に、
「……生意気。」
とだけ言って、去っていく。

目は、こっちを睨んでいた。

(……やっぱり、怖い!)

わたしは耐えきれなくなって、
走って帰った。