君のいちばんに

それは、部活中。

「…あ、香帆ちゃ…」
と、航希くんがわたしを
呼び止めようとした。

わたしはそれにわざと答えず、
椿先輩に話しかけた。

「…あ、先輩。
この写真、ちょっと
見てもらっていいですか?」

「…どれどれ?
お、いいじゃん。
これ、コンテスト出す?」

「はい、お願いします。」

「OK〜
んじゃ、あとで応募用紙渡すから
書いといて。」

「はーい。」

会話のあと、航希くんの姿を探す。

けれどもう彼はそこに居なかった。

(…ごめんね、航希くん。)

わたしは俯くと、そのまま理科室を
出ていった。