君のいちばんに

部活を終えて、帰宅中。

(……あ。)

目の前を歩いているのは、
紛れもなく、航希くんだった。

ひとりで、ポツリポツリ
歩いているからすぐ分かる。

「航希くん!」

声をかけて、駆け寄った。

航希くんは振り返って、
「香帆ちゃん。いま、帰り?」

「うん。」

航希くんはまだ部活には来ていない。

手首が痛いからだろうか?

「一緒に、帰ってもいい?」

我ながら、すごい勇気が出たと思う。

「いいよ。帰ろう。」

「やった。」

わたしは嬉しかった。


歩きながら、さっき椿先輩に言われた
写真コンクールの話をした。

「いいと思うよ。
僕も出したことあるし。
そういうのは経験しておいた方がいい。」

「……航希くんがそう言うなら
やってみようかな?」

つくづく単純なわたし。

「うん、やってみたらいいよ。
僕も応援してる。」

「ありがとう。」