君のいちばんに

結局僕は
あのあとさらに一ヶ月入院して、
それからようやく退院した。

手首の傷は少しずつ塞がっているけれど
まだ、包帯を巻いたままだ。

衣替えがこの前あって、
制服も袖が短くなったので
包帯が目立つ。

それじゃ可哀想だからと、
椿がリストバンドを買ってきてくれた。

とてもありがたい。

学校へは、昨日ようやく復帰した。

女子たちの目線が少し嫌だった。

あからさまに目をそむける子、
小さく悲鳴を上げる子、
ひそひそ話をする子、
反応は様々だった。

そんな中、香帆ちゃんだけはいつも通り
「おはよう、復帰できたんだね」って
とても眩しい笑顔を向けてくれた。

僕にはそれが救いだった。