君のいちばんに

活動を終えて、放課後。

わたしは航希くん、椿先輩と
一緒に帰ることになった。

というのも、写真部の活動が長引いて
すっかり暗くなってしまったので
ふたりが送るよ、と
言ってくれたからだ。

「…航希くん。」

「ん?」

「聞いちゃ、ダメかな?
留年の理由。」

「あぁ…
入院、してたんだ。ほぼ、丸1年くらい。」

「なんで?」

「…んー、僕は
昔から身体の発育とか
全部弱くて小さくて
人より劣ってて、遅れてるから、
って言ったら
納得してくれないかな?」

「つまり、あんまり言いたくないってこと?」

「ザッツラーイト!
正解だよ、新入生ちゃん。」と、椿先輩。

大崎香帆です、と訂正を入れて、
「…まぁ、そういう事なら仕方ないか。」と
納得した。

「ありがとう、香帆ちゃん。」

航希くんはそう言って、にっこり笑った。