あなたに初めて声をかけたのは、
桜の花が咲き誇る、
高校の通学路でした。

ひとりで寂しそうに歩いていて、
ほっとけなかったから
つい、声を掛けたんだ。

「おはよう。」

でもあなたは、
わたしの言葉には返事を返さなかった。

そのかわり、聞いてきたよね。

「…君、誰?」

それが、第一声。

高くて、か細くて
女の子みたいな声だったけれど。