しばらくするとネロの家が
見えてきた。
私の予想と違って家のデザイン
はいたってシンプルだ。
しかし、大きさはホテルぐらい
なのでリッチ感が漂い、
金持ちの家というのを感じる。
なんと地下が駐車場だった。
おっさんはそこに車を入れ、
地上に上る階段に近い所で
止めた。
「よし、着いたよ」
私は助手席から降りると
後ろの荷物たちをつかみ、
階段を登った。
上った先はすこし大きな
庭になっていた。
私の家にあるようなゴミが
一つもなく、掃除も気持ち
悪いぐらいにきちんと
されている。
おまけになぜかそこは
森林のような静けさで。
そこはさっき私が
いた世界とは違う空気がして
いるような、神秘的な
感じがした。
玄関の白いドアに荷物を
置くと、階段を下りた。
