いろいろ考えていると
おっさんが声をかけてきた。


「ゴメンね。助手席に
乗ってくれないかな」

「あ、はい」



私は助手席に乗り込んだ。
おっさんが車を走らせる。

外にでるとき地下が
暗かったので私は日光が
まぶしく感じ、そこには
料金を払う機械の変わりに
カードを認証する
機械が置いてあった。




おっさんが自分のカードを
機械に読み込ませるとき、
いきなりしゃべりだした。



「ネロ様はいっつも一番後ろの
座席で寝てるよ」


「え?寝てるんですか?」



おっさんが見てみろ、と
いうように顎をしゃくる。




シートベルトを外して後ろの
荷物を置いている座席から
3列目をのぞくと、たしかに
寝ていた。


寝息さえ聞こえてこないので
よほど熟睡してるのだろう。
伏せて寝ているので
寝顔が見えない。