駒を進めると戦わなくてはならない
そんな理で満ちたモノクロの壁画
意識の無い馬がぶつかり合う火花を
お祭り騒ぎに喜んだ
助けての言葉もない声にならない叫びが動く
チェックメイトの最後まで
指先で演じるパーティを
楽しめるかなんて眼中になくて
キングが錆びた涙を流し燃え上がる身体を
愛と呼んだら遠い昔の呪術は消えた
登り行く太陽が照した鮮やかな炎
僕の指先で鳴らしたあの日のドレミ
聳え立つ木の成らした身からは
誰かの林檎とオルゴール
芽生えた恋が塗り替える
色とりどりの壁一面に
幸せが映る曇りの無い鏡を作った
蕩けたチョコの奥の奥から
密が流れて埋め尽くす地球
ただひたすらに透明で青い、青い星の吐息
こぼしたインクがまわらぬうちに
今はただ微睡みの中の花の香りに包まれる
魔法使いのささやかな物語。
ほらね
世界は綺麗なものだけでできているのさ
なんてね。