家に近づいても消えない幻覚。 俺相当やばくない? いや……。 ちいちゃんだ。絶対にちいちゃん。 幻覚じゃない……? あれ本物のちいちゃんだよね……? 急いで走って家の前まで行く。 「ちいちゃん……?」 しゃがんで下を向いてたちいちゃんが顔をあげる。 何で……ちいちゃんがここにいるの……? 幻覚じゃなかった。 顔をあげたちいちゃんは泣いていて、ちいちゃんを立たせて無意識に抱きしめていた。