「心配した。ごめん、俺のせいで」
震える声で耳元で聞こえるイケメンな声。
だけど、わからない。
「……だれ?」
「え?美音なに言ってんの?」
日向が驚いた顔で聞いてくる。
「本当にわからないの?」
蓮も私に聞いてくる。
だけど、わからないの。
「本当にわからない。ごめんなさい」
「……ごめん。ちょっと外行ってくる」
私に抱きついていた体を離し、下を向いて悲しそうな顔をして出て行った。
「柊!」
「美音。本当に分からないの?」
「…うん」
「神崎柊。俺と柊と美音は生まれた時からの幼馴染みじゃん」
日向と私とあの人が?
日向と私だけじゃないの?
「で、柊は美音の彼氏」
蓮がベットに腰をかけて私に微笑みかける。
「…か、れし」
「そう。柊と美音はラブラブだったんだよ」
わからない。
なにも思い出せない。
考えれば考えるほど、わからなくなってくる。
