───────ドンッ 「あっ、すいません!」 廊下を歩いていると先輩にぶつかってしまった。 「あー、なんだ。あんたか」 先輩は私を睨むように見てきた。 「そういえば、あんた記憶がないんだってね」 「………」 「しかも柊のことだけ。柊かわいそー」 そう笑う先輩に、悔しいけど言い返せなかった。 「柊は私がもらうから」 先輩はそう言うと、わざと私にぶつかって行った。 「いたっ」 頭に激痛が走った。