だが、それによって何が変わったか分からない。

大黒柱の心の中の出来事だから…。

妻には、まったく分からないだろう。

どうしたら良いのかわからない?

大黒柱の体に、示指が入ってきて、次に守り神が入ってきても、外観上では何も変化が起きないし、あんなにすごいことが起きたのに、派手なものは何も起きない。

示指と守り神の存在は何だったのだろうと思うくらいに?

平穏無事な毎日が大黒柱一家の前を通過していく!

このままでは、記憶からも消えていくかも知れない。

このまま忘れるのは、勿体無いような思いはするが、大黒柱にはどうしようも無かった。

大黒柱も、一般のサラリーマンと一緒に満員電車の中に消えていき、会社の歯車として頑張って仕事をしている。

守り神のことを徐々に忘れながら…。