手術室に入った時。

2回目という余裕なのか、手術室にあった手術用顕微鏡の近くまで行かせて貰った。

医者のTVドラマに出てくるような顕微鏡だった。

「この顕微鏡は高いんですよ、大黒柱さんは2回も使うので…」と医者が言った。

前回と同じように手術が開始された。

病室の看護師と手術室の看護師とは違っていて、最初の手術の時には気づかなかったが、今回の再手術ではやさしい看護師がついてくれて、天使のようだった。

「寒くないですか~」とか、「眠らないでくださいね~」とか声を掛けてくれる。

手術室の患者、特に局部麻酔をかけられた患者は孤独だ。

医者が言っている言葉に相槌を打つのもまずいだろうし、寝るのも駄目となったらどうしたらよいのだろう?

しかし、今回の手術もおそれているように、1時間で終わる予定が、倍の2時間になった。

そのため、恐れていた麻酔切れで、「痛―~い!」が始まった。

やっぱり、延長になりましたね?

「先生、そろそろ麻酔が切れますけど大丈夫ですか?」と大黒柱。

「もう少しがまんして!」と医者。

「先生、麻酔切れますよ!」と大黒柱。

「もう少し頑張れ!」と医者。

「麻酔切れまし~た。う~ッ!」と大黒柱が最大限に我慢している。

「大黒柱さん!頑張りましょうね!」と天使の看護師が励ましてくれた。

「しょうがないなあ。麻酔追加するか?」と医者。

だったら、切れる前に麻酔を打ってくれれば痛くないのに…。

でも、麻酔が切れてからの注射は痛いんだから!

また、3回くらい麻酔をして、手術の続きをやっている。

今回は、何となくですが、主治医とは別の医者が最終的には処置してくれたと思う。

しかし、天使の看護師さん、メガネが無いので顔が全然見えないんです。

病院内ですれ違っても挨拶しないと思いますが、ごめんなさいね!

先に、誤っておきます。

と漫才のようなことをやりながらも順調に手術は終わった。


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