「?、どうかした?」

「あっいえなんでもないです」

「そう?じゃあ頑張って!」



頑張ってどうにかなるとは到底思えないけど…



どうしよ…全くわかんないのに

当てずっぽうで正解出来るわけないし、でもみんな余裕の表情ってことは結構簡単!?そんなの尚更わかりませんなんて言えないよ〜

ぁ…梓紗〜、って寝てるし…

みんなみてるけど、わかりませんしかない、か…









「あの」




























“㌧㌧”









(ん?)









立ち上がった私の左下から聞こえるのは、硬いものを突っついた様な高めの音






なんの音?




そして私は視線をそこに向ける















((成実…くん?))




私のノートをさして、机を指で叩く成実くん



「え、何して…」


(あ、)



ノートになにか書いてある?



「X=5…?」



読み上げて成実くんを見ると、
微かに、ホントに少しだけ微笑んで…




「そう!正解よ藤崎さん」


「え?あ、はぁ…」

「じゃあ20分まで各自で…──」



今の今まで私に向けられていた視線が一気に散っていく。



私は戸惑いながらも、ゆっくりと席に着いた。


よ、よかった…なんとか回避したけど、














(今のって、助けてくれた…の?)



どういうつもりなのかよくわからなかったけど、これはそういうことだよね?




私はもう一度ノートに目を移す。






(やっぱり見間違いじゃない)







私のノートの左下には、小さく、でもはっきりと「X=5」と書いてあった。















その後授業が終わるまで、私は成実くんが気になってずっとそわそわしてたけど、やっぱり成実くんは通常運転で。





いろんな意味でいつも通りだった。