「わかんない…」
2年生になって自己紹介にドキドキしていた日から約2週間、少しづつクラスにも慣れてきた私は数学の問題と格闘している最中だった
(何これ)
これをXに代入して…あれ?でもここにも書いてある?
あー…もう意味わかんないよ!
ダメなんか眠くなってきた
私は眠気覚ましのために、左側の窓に目を向ける
ついこの間まで満開だった桜もすっかり花びらが落ちきっちゃって…
それになんだか雲近いような?
この席になってからというもの、ここから外の景色を眺めるのがすっかり癖になっていた
しかも左側には成実くんがいるし…
でも隣の席になってもう2週間経つけど、1回も話せてない
何回か目はあったんだけど、いつも無表情だしすぐ逸らしちゃうし、何より
女子と話してるの見たことないし…
休み時間とかは案外相島くんとかと仲いいっぽくて、ずっと男子としか会話してないし…
こんなんじゃ仲良くなるどころか、名前も覚えてもらってないんじゃないの!?
せめて隣の席の人とは仲良くしようと思ったのになぁ
なんて、ノートも取らず先生の話も聞かずぼーっとそんなことを考えている時だった。
「じゃあこの問題をー、成実くん」
さっきまで黒板に字を書いていた篠宮先生がこっちに振り向く
(あちゃー、当てられちゃった…)
それにこの問題、教科書に応用って書いてあるじゃん!
「ちょっと難しいけど…わかるかな」
先生まで…
そういえば成実くんって
「はい」
“ガタン”という音と共に引かれる成実くんの椅子
そして立ち上がると、自分のノートを見つめて
「y=7です」
「そう!よくわかったわね大正解ー」
頭いいんだ…
これだけの答えを言い終わり、成実くんは静かに席に着きシャーペンを持ち直す
隣合った机からその振動が伝わってくる
こんな問題解いてるのに、やっぱり無表情なんだ…
(でもメガネで無口で硬派って、頭いいオーラ抜群というか…)
なんて成実くんをなんとなくチラ見する
なんで私…
「じゃあ横、次の問題藤崎さん」
え?
まるで当たり前のことかのように私の名前を呼ぶ先生
2年生になって自己紹介にドキドキしていた日から約2週間、少しづつクラスにも慣れてきた私は数学の問題と格闘している最中だった
(何これ)
これをXに代入して…あれ?でもここにも書いてある?
あー…もう意味わかんないよ!
ダメなんか眠くなってきた
私は眠気覚ましのために、左側の窓に目を向ける
ついこの間まで満開だった桜もすっかり花びらが落ちきっちゃって…
それになんだか雲近いような?
この席になってからというもの、ここから外の景色を眺めるのがすっかり癖になっていた
しかも左側には成実くんがいるし…
でも隣の席になってもう2週間経つけど、1回も話せてない
何回か目はあったんだけど、いつも無表情だしすぐ逸らしちゃうし、何より
女子と話してるの見たことないし…
休み時間とかは案外相島くんとかと仲いいっぽくて、ずっと男子としか会話してないし…
こんなんじゃ仲良くなるどころか、名前も覚えてもらってないんじゃないの!?
せめて隣の席の人とは仲良くしようと思ったのになぁ
なんて、ノートも取らず先生の話も聞かずぼーっとそんなことを考えている時だった。
「じゃあこの問題をー、成実くん」
さっきまで黒板に字を書いていた篠宮先生がこっちに振り向く
(あちゃー、当てられちゃった…)
それにこの問題、教科書に応用って書いてあるじゃん!
「ちょっと難しいけど…わかるかな」
先生まで…
そういえば成実くんって
「はい」
“ガタン”という音と共に引かれる成実くんの椅子
そして立ち上がると、自分のノートを見つめて
「y=7です」
「そう!よくわかったわね大正解ー」
頭いいんだ…
これだけの答えを言い終わり、成実くんは静かに席に着きシャーペンを持ち直す
隣合った机からその振動が伝わってくる
こんな問題解いてるのに、やっぱり無表情なんだ…
(でもメガネで無口で硬派って、頭いいオーラ抜群というか…)
なんて成実くんをなんとなくチラ見する
なんで私…
「じゃあ横、次の問題藤崎さん」
え?
まるで当たり前のことかのように私の名前を呼ぶ先生


