片恋い

「…」




何やってんだろ私…
いくら待ってたとしたってこれは意識しすぎでしょーが。


私は高ぶっていて鼓動を抑えながら、楽な姿勢をとる。



さっきから緊張しちゃって、身体中強ばったまま。



「ふぅ…」

「だからさっきからどうしたの?」



やっと平常を取り戻した私に、梓紗がさっきと同じ質問を投げ掛けて来る。



「気になんてしてないもん」

「はぁ?」


意味わかんない、とでも言うように肩をすくめると、梓紗はクラス全体へと目を向け、



「あいつとは席離れてるね、よかった」

「あいつって?」


このクラスには、梓紗があいつ呼ばわりするような仲の人なんていなかったはずだけど

そう思い梓紗の視線を辿ると、そこには先程声をかけてきた男子生徒が、早速仲良くなった感じの女子と楽しそうに会話している様子があった。


「相島龍平くんだっけ」



確かさっきそう言ってたよね

と私が言うと、



「そ、あのチャラ男。もうこっち来ないでほしいわよホント」

「梓紗ったら、もっとオブラートに包んだりできないの?」

「これでも結構柔らかく言ったつもりなんだけど!」



心外な!という表情で、ふてくされたように足を組み口を尖らせる梓紗



「嘘でしょ…」


あれで柔らかいなんて、どんなこと思ってたのよ



「美桜ひどい」


え、ごめん…



「あ、相島くん手振ってるよ」



なんてことを話しているうちにこちらに気づいたのか、相島くんがこちらに向かってぶんぶんと手を…というか、腕を振っていた。