片恋い

梓紗はそんな私の言葉に少し眉を上げて反応した後、自分の食事に集中してしまった。


食べ終わってしまった私は、なんとなく目の前の窓から外の道路に目をやる。


少し雲が多めの空の下、丁度今赤いスポーツカーが走り抜けた道路を挟んだ、向こう側の通りに軒を揃える店。

見える範囲でも、右から

服屋、雑貨屋、クレープ屋、服屋、本屋、服屋、服屋…


私はなんだかその光景が物珍しく、なんとなく並ぶ店を眺める。



ここら辺の服は趣味じゃないし、あんまり来たことない。



家とは違う方向で特に用事もないからか、初めてみるお店はいっぱいあるな。





そんなことを考えながらぼーっと梓紗がドーナツを食べ終えるのを待っていた。



視界の端にある服屋のドアが開き、店内から同じ制服を着た4、5人の女の子達が出てくる。









「あの子達、同級生だね」

ネクタイが赤のチェックだから、私達と同じ1年生のはず。



「そうだね」




梓紗はチョコのドーナツを食べ終え、コーヒーを口に運びながら言う。






「でも…」


私は飲めないブラックのコーヒーを何口か飲んでから梓紗が続ける。




「なんかもめてるみたいよ?」





「え?」






もめてるって…



私は梓紗から窓の外へと視線を移す。








「確かにそうかも?」