片恋い

なら、ここに落ちてたってことは成実くんの物ってことだよね…









どう…しよ。


取り敢えず渡した方がいいの…かな


でも違ったら恥ずかしいし、やめとこうか。


だけどもし成実くんのだったら、私盗んだみたいじゃない!



私がそうこうしている間にも、成実くんは黙々と帰る支度を整え、今にも席を立ってしまいそう。




もう、なんでこんなことばっかり…





〜〜〜っ、どうにでもなれ!!!
























「あ、あの…」


取り敢えず声は掛けたけど、聞こえてるのかどうか…


っとに、周りの男子がうるさすぎなのよ…。

私の声がちっちゃいのはわかってるけどさ。

だからって返さないわけにいかないじゃない!














「なる…成実くんっ」















か、噛んだ…


聞こえてたかな。





視線を下から上へとズラし、成実くんの様子を伺う。



窓の外向いていた成実くんが、静かにこっちを振り向く。








「…」












唐突だったからか、ただ驚いた様子でついていた頬杖を解き、ゆっくりと口を開いた。















「…何?」







私に向けられたその声は



少し低くて



落ち着いていて





だけどしっかりと私の耳に、中に、届く声だった。






「えっと…こ、これ」




私はおずおずと落ちていたシャーペンを両手に乗せるようにして見せる。


「落ちてて、その…成実くんのじゃない…ですか」