夜久side


「夜〜久〜」



遠くから、俺を呼ぶ声が聞こえる。




「よっ、お前何の種目に出んの?」





コイツは、立川颯汰(たちかわそうた)。俺の幼馴染だ。





「リレーと100m走」





それだけ返すと、「そっかぁ〜、あ、雛野さんって何に出るの⁉︎」と、食い入るように聞いてきた。





…雛野…?確か…





「1000m走とリレーだったな…」




素直に返したらまた、「‼︎、お前、少し変わったな」と言われた。





そうか?俺自身そんな気がしない。





「だってさ、お前。アイツの事があってから俺以外とは連んでねぇーし…なのに、雛野さんには、反応したからな…」






それは…アイツが抱えている物が、気になっただけ…他に比喩はない…






走行しているうちに、体育祭は始まり、雛野が出る1000m走の時間になった。




「夜恵〜、ガンバレー」




雛野の親友が、雛野に声援を送っている。




それよか雛野…アイツって持久力あるのか?いっつも、鈍いからな…




無意識に、雛野を目で追っていた。





【プログラム○番、1000メートル走のスタートです‼︎】




放送がかかり、「位置について〜よ〜い」パァン‼︎




1000メートル走がスタートした。





以外だった…アイツがあんなに持久力と足の速さを持っていたなんて…






そう、1000メートル走は、雛野が1位でゴールした。2位と明らかな差をつけて…