夜久side


リレーが始まる直前にアンカーにバトンを渡す奴が熱中症になった為、急遽俺にが代わりにまた走る羽目になった。





「…面倒くせ…」




それでも、リレーは始まった。





そして、ある奴がこけた。





マジか…フツーそこでコケるか?




俺は内心そう思ったが、1人だけ違う奴がいた。アンカーの癖に、転けたそいつを本気で心配していた。




ートクン…




は…?いま、“トクン”って言ったか…?…マジかよ、もう、恋愛は懲り懲りなんだよ。





自分の中で起きた少しの変化に苛立ち、バトンを受け取ってからは、全力で走った。そして、アンカーであるアイツにバトンを渡す直前に




「…全力で走れ」




そう言った…。そいつは分かりやすいくらい嬉しそうにしそれから、




「了解しました」ニコッ




微笑んだ。体育祭の最中に




だが俺は、アイツの足の速さに驚かされた。だって、3位からいつの間にか1位でゴールしていたから…。




アイツ…本当に何者なんだ?




そう思っていたら、アイツが倒れた。




無意識に俺はそいつを抱き上げて、保健室まで運んだ。




目が覚めて、顔を赤くしながら「すみませんでした…」とずっと謝ってくる。




その顔が、頭から離れられなかったー…