わたしは、ずっと後悔していた。




貴方のスマホのロック画面に設定されていたあの写真を見た時から、貴方と、貴方の隣に映っていた――妹のことを、いつも考えていた。


二人はどういう関係だったんだろう。


恋人だったのだろうか。



本当は、写真を見た時から、わかっていた。


考えても、考えても、たったひとつの答えしか浮かばなかった。




わたしは貴方に、わたしには妹がいることを話した記憶はなかった。



きっと、貴方は最初から知っていたんだ。


わたしが“始まり”だと思っていた春よりも、ずっと前から。



妹のことも、わたしのことも、知っていたんだ。




けれど、わたしはやっぱり貴方に何も聞けなかった。


聞くタイミングも、聞く覚悟も、なかった。