「あとさ、気になってたんだけど、私、リクの彼女じゃないよ?」

リクは私の言葉を聞いた瞬間、手首を離した。

ふーいたかった。いたかった。

私は赤くなった手首を摩りながら続ける。

「いつから、私たち付き合ってるってことになってるの?初耳なんですけど。」

「俺、お前の家庭環境が複雑って聞いたから家に泊めてやったり、いつも可愛いとか好きとか言ってるじゃん。」

「え、なに、可愛いとか好きとか言って、家に泊めてもらったら彼女なの?第一、告白された記憶もなければ、承諾した記憶もないんだけど。」