心配性の課長は自分のことと同じくらい純太のことを心配していた。


「大丈夫ですよ。内田だって成長してますし、これからはかなり期待できるし、頼りにもなるはずです」


「ほんとかなー」


「もう、課長はー、心配しすぎるとまた胃が悪くなりますよ。もう少し気楽にしてほんと大丈夫ですからね!」


拓人は課長の肩をポンポンと叩いた。

それでもなかなか気持ちが上向きにならない課長は大きくため息をついて、部内をうろうろと落ち着きなく歩く。

そんな課長が沙弓の後ろもうろつく。沙弓は眉をピクッと動かして、課長を呼んだ。


「課長」


「はい! 谷さん、な、なに?」


「うろうろされると目障りなので、座っていてもらえませんか? 承認するとかやることはありますよね?」


「あ。うん。ごめんね、今すぐやるから見捨てないでね」


沙弓に注意された課長はおろおろしながら自分のデスクに行く。沙弓に見放されたら、立ち直れそうもなさそうだ。