「あー、さむっ。誰かさんのせいで俺風邪ひいちゃうかも」
自分の体を抱きしめるようなポーズで言った統牙にあたしは反論した。
「あんたがお風呂から早く出てくるのが悪い!」
ほんとは嬉しかったくせに。
あたしはこんなときに素直じゃない。
こんな髪の毛びしょ濡れのままで絶対寒いのに
出会ったばっかのあたしを
わざわざ引き止めに来てくれたんだもん。
「…うるせぇな」
「お礼にドライヤーしてあげるからここ座って」
ほんとにこのまま風邪ひかれても困るし。
せめてものお礼とこれからお世話になるというあたしからのプレゼント…みたいな?



