【完】俺が愛してやるよ。




「俺が愛してやるよ。」


一瞬、時が止まったような、そんな気がした。

どうして…なんで…君はあたしを見捨てないの?


「これでもかってぐらい愛してやる。

お前の空っぽな心ん中を俺の愛で溢れさせてやるよ」



こんなこと言われたのは初めてで…

でも、信じられない。
君も…口だけで本当は愛してくれないんでしょ?


「嘘ばっかり…っ」


「信じられねぇならそれを俺が証明してやるよ」


その強い言葉に疑っていた心がグラッ、と揺れた。


この人は…本当にあたしを愛してくれる?

何故か、信じてみたくなった。


人から必要とされたような気がする。

あたしはこの人に出会うために

今まで生きてきたのかもしれない。


あたしはその時

初めて、生まれて良かったと思った。