憂鬱な気分で学校へと電車で通学する。
家から電車で15分ほど行ったところにあるここらへんでは有名な女子校。
別に青春とかくだらないものは求めてもなかったから家から程よく近いここにした。
学校へ着くと、教室はいつものようにガヤガヤとしていてうるさかった。
友達と楽しそうに話す人たちや一人で読書をする人…
人それぞれの自由の時間を過ごしている。
そんな中、あたしは一人で自分の席に静かに腰を下ろす。
「ねぇねぇ、綾瀬さん」
どのクラスにも一人はいると思う、リーダー的存在の女の子がいきなりあたしに話しかけてきた。
あたしは黙って首を傾げると、ガンっ!と思いきり机を蹴られた。
…なに?
「あんたの妹どういう神経してんの?」
キッと鋭い目つきで睨んでくる女の子。
でも、その目にはうっすら涙が溜まっていて今にもこぼれ落ちてしまいそう。
「あたしは何も知らない」
あたしは志穂とは話もしなければ、
目を合わすことすらしない。
可愛い志穂は人気者だし、愛されるから少しだけ自惚れてしまっているのかもしれない。
あたしとは真逆の世界にいるんだよ、あの子は。



