【完】俺が愛してやるよ。




ケーキは二つあるから、一つは彼の分だと思うし。

ケーキは真っ赤な苺の乗ったショートケーキ。


「お前が二つ食べろ」


「えっ…でも…」


「いいから」


そんな…なんか申し訳ないな。

しかも、ケーキを一人で食べるってなんか切ないし、寂しいな。


あたしのイメージではみんなでワイワイ食べるものなのかと思ってたから。


せっかく祝ってもらってるのに贅沢なやつだなあたしは。


「なんでそんな顔してんだよ」


そんな様子に気づいた彼があたしの顔をのぞき込む。


「えっ…別に…そんな顔は…」


「してる」


「いや…」