【完】俺が愛してやるよ。





「でも…お前、誕生日なのに家帰んなくていいのかよ」


ギクッ…。

それは今のあたしにとっては一番聞いてほしくない内容。


家に帰りたくないからあんなところにいたんじゃん。

なんて思ってもこの人は何も知らないんだから仕方ない。


何も言えずに俯いていると…、


「ふーん…。
ま、とりあえずこのケーキ食べろよ」


そう言ってあたしをケーキの前に無理矢理座らせた。

そして、彼もあたしの隣に座る。


言わなくてもいいのかな?

勘が良さそうだし察してくれたのかな?



「あの…一つ食べないんですか…?」