【結実side】



「んっ……」


目を覚ますとそこは真っ白な天井に鼻にくるツンッとしたような薬品のような匂いがした。


手が温かい何かに強く握られている。

そちらを見ると、そこにはあたしの手をぎゅっと握り締めて眠っている統牙がいた。


「と、うが…」


あたし、生きてるんだ。

よかった……あのまま死んでしまったら
統牙を残していってしまうことになる。


そう思ったらどうしようもなく切なくて…

そんな時に『これからも俺に愛させてくれよ』という統牙の声が聞こえてきた気がするだ。