そういうと、統牙の肩がピクッと動いた。
そして、振り返りあたしの方を一度だけ見てあたしの左手の薬指を指さして、
「ここに指輪つけてやれなくてごめん…」
それだけいって扉を開けて外に出ていってしまった。
その言葉を言った時の統牙の目はいつものように優しい瞳で、少し切なげに揺れていた。
統牙が出ていき、その場にヘナヘナとしゃがみ込んだあたし。
終わっちゃった……
その瞬間、我慢していた涙がポロポロと流れ出てきて止まらなかった。
「と、うが……ぐすっ…」
なんで…なんであんなこと言うのよ。
いつまでもこんなところにいられないと立ち上がり、灯りを消して外に出て鍵を閉める。
今日は泊まる予定だったし、倉庫に泊まらせてもらおう。
統牙…どうしちゃったんだろう。
どうして、最後だけ普段の統牙だったんだろう。
思えば思うほど不思議に思い、あたしは倉庫まで走った。
竜也さんなら何か知ってるかもしれない。



