「でも、あなたがお腹に宿ったことを後悔したことは無い。
あの時は咄嗟にあんなこと言っちゃっけど、
本当に心の底から嬉しかった。
だって、愛し合っていた人との子供だから…
それから、すぐにお母さんは
離婚して彼と一緒になったの。」
長年、一人ぼっちだと思っていた。
こんなやつら家族なんかじゃないと思っていた。
あたしはイケナイ愛から
生まれた要らない子なのだと思ってた。
だけど、そうじゃなかった。
あたしはお母さんとお父さんの二人の
温かくて優しい“ 愛 ”からできた子。
あたしは生まれた時から愛されていたんだ。
いつか聞いて、ずっと忘れていたあたしの名前の由来が
頭の中にふっ、と浮かび上がった。
――“たくさんの人から信頼されて
いろんな人との絆や愛が実を結ぶように”



