【完】俺が愛してやるよ。




そんな……嘘。

信じられない。

だって……あたしの本当のお父さんはずっと愛人だと思ってた。


「好きになっちゃいけないとわかってた。
だけど、毎日繰り返される前の夫の暴力に耐えられなくなって…


その傷を癒してくれたのは彼なの。
私と彼は惹かれ合い愛し合った。
そして、できたのがあなた…結実なの。」



初めて聞かされる自分の生い立ちに自然と涙が頬を伝う。

あたしはずっと勘違いしてたんだ。
本当のお父さんはいつだってそばにいたのに。