【完】俺が愛してやるよ。




話さなきゃいけないことって何なんだろう…

なんか、胸の中がザワザワする。

嫌な予感とかじゃなくて、
今までの全部がひっくり返るような…そんな感じ。


「結実はずっと勘違いしてるの。
私も“いつかいつか”って思って先延ばしてたから…」


勘違いってなに…?

あたし、そんなドジったことしてた?

お母さんの言葉に生唾をゴクリッ、と飲み込む。

どうしよう…怖い。
お母さんまで血の繋がりがないって言われたら…


怖くなってギュッと膝の上で拳を握りしめる。

すると、その上から大きくて男らしい手がそっと乗っかる。

その手の主はもちろん隣にいる統牙。
ちゃんとバレないようにさりげなくしてくれてる。

まるで、それは“俺がいるから大丈夫”と言っているかのようで


統牙の優しさに恐怖も小さくなり、
少し冷静になれることができた。