【完】俺が愛してやるよ。




「うっ…ぐすっ……」


「結実…ごめんなさい。

私、志穂のことで頭がいっぱいで
あなたに我慢ばかりさけていたわね…」



あたしに頭を下げて泣きながら謝っている。


「あなたが生まれた日に
ちゃんと祝ってあげられなくて、
逆に傷つけてしまってごめんなさい」


あの日の言葉は今もあたしの心にグサリッと刺さっている。

だけど、こんなにも必死な姿を見ていると
深くまで刺さっていたものがスルスルと抜けていくように思える。



「自分勝手だって思うかもしれないけど……

もう一度……結実の母親にならせてくれませんか?」