【完】俺が愛してやるよ。





幼稚園の入学や卒園、小学校の入学、卒業など、こと細かく毎日のことが記録されていた。


一日も休めることなく。

あたしが生まれた日からずっと書かれていた。

だけど、これはほんの一部。
これがもっと何冊もあるんだろう。

だって、リビングにこれと同じノートが山ほど大切にしまわれているのを一度みたことがあるから。


「な、んで…っ」


なんでこんなものがあるの…?

あたしは愛されてないはずなのに。

これは志穂のものなんじゃないかと思って何回も見直すけど
やっぱり、あたしのことについて書かれていた。


「お前はちゃんと愛されてたんだよ」


統牙の優しい声が耳に届く。

そっか…統牙はそれを知らせるためにここに連れてきたんだ。

相変わらず、優しい人だなぁ。