「お邪魔します…」


統牙が中に入り、あたしも入る。

すると、目の前にいたあの人が口を抑えてあたしを見つめていた。


そっか……この人はあたしが来ていることを知らなかったんだ。

統牙しか話してなかったもんね。

あーあ、もうすぐ追い払われるよ。

『ここはあんたの来る場所じゃないっ!』とか言ってね。



「結実…っ!!」


そんなことを思っていると、
名前を呼ばれてあたたかい温もりに包まれた。


あれ…?
なんであたし抱きしめられてるの?

おっかしいな~…あたしはこの家で空気みたいな扱いだったんだよ?

それがなんでこの家の人間に触れられてるの?