「大丈夫……俺がいるから。一人じゃない」
「……うん」
統牙がいる。
それだけで心強かった。
一人じゃないことがこんなにも
心を変えるなんて思ってもなかった。
統牙となら、大丈夫。
そう心に言い聞かせて、家へと向かう。
今日は休日だからみんな家にいるはず。
だから、統牙も今日にしたんだと思う。
「ピンポーン」
一応、インターフォンは鳴らさないと…
いきなり入って泥棒と間違われても困るし。
バイクは近くの駐輪場に止めてきた。
さすがにここまで来たら、バレちゃいそうだし。
「…はい」
あたしの家のインターフォンはカメラ付きじゃないから
誰が来ているのかは向こうは知らない。
そこは便利でよかった。
そして、出たのは……あたしを傷つけた張本人だった。