「なぁ…俺、本気で好きになったかも」
え、総長さんがあたしを…?
どうしてこんなことになってるの?
そういえば前もこんなこと言われたけど、
統牙が来て、返事はせずに終わってたんだった。
「俺だったら…お前の顔にこんな涙の跡は付けさせない」
親指であたしの乾いた涙の跡をなぞる。
それがやけに色っぽくて嫌でもドキッとしてしまう。
なんか…大人の顔っていうかそんな感じ。
「だから、統牙なんてやめて俺にしろよ」
真剣な総長さんの顔からは嘘なんて言ってるようには見えない。
それに総長さんは普段から冗談を言ったりするような人じゃない。



