あのときの俺は汚れも闇も知らない、純粋で幸せな日々を送っていた。
だけど、それは突然訪れた。
俺が小六の時に不慮の交通事故で仲が良かった両親が亡くなってしまった。
俺は誰もいないところで泣いてた。
妹の前では泣けないから必死に我慢して。
プライドが高い俺は弱い姿をアイツに見せたくなかったんだ。
残された俺たちは親戚の家に引き取られた。
だけど、そこは地獄だった。
慣れない環境に厳しい親戚。
周りのヤツらからの痛い視線に俺たち兄弟は
生まれて初めて闇というものを知った。
転校先で上手くやっていた俺はまだマシだった。
でも、妹の鈴(すず)はなかなか上手くはいかなかったみたいで、
鈴はどんどん変わっていった。