【統牙side】
俺のどんなに悔やんでも
消すことの出来ない過去が起こったのは、
俺がまだ朔龍の存在を知る一年ほど前の中学二年の頃の話。
その時は俺も純粋な男だった。
自分でも思うほど、顔は整っていたから
女からは告白されたりするのはもう習慣のような感じだった。
でも、あの時はちゃんと断っていた。
別に好きとか分かんなかったし、
付き合う意味も分からなかったから。
家族だっていた。
俺の家系はごく普通の家族だった。
でも、まあ言うなら美形家族だった。
仲のいい両親と一つ年下の妹と俺の四人で暮らしていた。