「こんなところにいたら襲われちまうぞ」 確かに今は暗いし、こんなガヤガヤしたところにはヤンキーみたいな人がたくさんいそう。 「別に…その方がいいです」 とにかく、楽になりたい。 あたしはその思いだけだった。 「はぁ?お前変わってんな」 「なんとでも言ってください…」 「ふーん…まぁ、今日は俺ん家に来いよ」 そういってあたしの手首をギュッと握ると、あたしが濡れないように傘をさしながら歩き始める。 そのおかげで、彼の肩は半分濡れている。 この人は優しい人だなぁ…直感的にそう思った。