「お前、風邪ひくぞ」
後ろから男の人の声が聞こえたと思ったその時、さっきまで体に降り注いでいた雨が急にかからなくなった。
ビックリして後ろを振り向くと、
そこには暗闇であんまりよく顔はわからないけど
なんとなくイケメンそうな人があたしの上に傘をさしてくれていた。
「いいんです…風邪ひいても…」
そう言って、さしてくれている傘から出た。
いっそ、風邪をひいて高熱で倒れて死んでしまいたいの。
「お前、何いってんの?」
そんな事されたら気が悪くなって
スッと去って行くのかと思いきや、
その人は意外としつこくてなかなか帰ろうとしない。
「だから…!っ、!!」
反論しようとした時、彼の手があたしの頬へと伸びてきてあたしの頬を伝う涙を親指でそっと優しく拭った。



