もう帰る場所も無ければ、
優しく慰めてくれる人もあたしにはいない。
“ 愛 ”なんてあたしには一生手の届かないモノなんだ。
教室に戻ると、周りから軽蔑した目で見られてまたコソコソと話している。
あたしはそいつらをキッと睨んでから
机の横にかけていたスクールカバンを肩にかけて全力で走った。
少しでも遠くに……あたしのことを知ってる人がいないところに。
駅に着いて適当な電車に乗り込むと
ガタンゴトンと揺られる電車がゆりかごのように気持ちよくて、泣き疲れていたからなのかすぐに眠ってしまった。
ハッと目が覚めた時、
あたしの目の前には車掌さんがいた。
「お客さま、終点です」
「…え」
完璧に寝過ごしてしまった。
…でも、よかったかも。
戻る場所もなかったことだし。



